昭和40年代の貸本衰退期。
貸本出版社の日の丸文庫は、商業誌に進出したり、あらたな貸本アンソロジーを出したりといろんな策を講じます。
まんがサンキュー
QP
しかし、「まんがサンキュー」「まんがジャイアンツ」「QP」も短命に終わります。
日の丸文庫は、東京に光伸書房という出版社を置き、そこから雑誌やハイコミックス、日の丸コミックスという単行本を出版します。
というわけで、光伸書房から刊行された最初で最後の漫画雑誌を紹介します。
その名は「ごん」!
創刊号は1968年7月に発売されました。
雰囲気は前年に手塚治虫が創刊した漫画雑誌「COM」に近いです。
もちろんメインは日の丸文庫で活躍していた、沼田清、K・元美津、山上たつひこ、石原晴彦、正岡としや、関一彦といった面々。
沼田、山上、石原、正岡、関などはすでに「COM」にも描いており、この創刊号には「COM」で入賞デビューしたもとやま礼子も作品を載せています。
では、創刊号に掲載された作品を…
沼田清「ふりむいたやつがいた」
K・元美津「非情の雨」
山上たつひこ「ミステリー千夜一夜」
石原晴彦「春夏秋冬」
五十嵐幸吉「ふけよ哲」
五十嵐先生は、その後「シルバー仮面」のコミカライズを手掛けていますぞ~
正岡としや「1/10MM」
やまもと礼子「少年たちに栄光あれ」
関一彦「ジュン」
この「ごん」もわずか4冊。11月号で終わってしまいました。
雑誌としは他と比べても遜色無いものでしたが、所詮貧困に喘ぐ貸本出版社。
もし、大手出版社から刊行されていれば、もう少し息の長い雑誌になったかもしれませんね。