先月、冒険王の付録漫画を記事にしました。
その際、ほかの付録漫画も"秘密基地"から何冊か持ってきてたので、ちょこちょこ紹介していきたいとおもいます。
今回は「鉄腕アトム」です。
1951年に『少年』に連載された「アトム大使」。
これに登場したロボットを主人公に1952年より「鉄腕アトム」として連載が開始されました。
今回持ってきたのは以下の2冊。
まずは『少年』1954年9月号の付録から「ZZZ(スリーゼット)総統」。
(1954年9月というと、まだ初代ゴジラも封切られてないね~)
謎のガスを使い、世界じゅうの文化人、政治家、学者を狂わせる事件が発生!
その首謀者がZZZ総統だ!
なぜ彼はこんなことを企むのか!?
※1
なるほど~
手塚治虫が単行本化のたびに内容を描きなおしてしまうというのは有名な話。
そこで2009年、18年間にわたって連載された「鉄腕アトム」を、当時の内容のまま復刻する「鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集」が刊行されました。
約1年に渡り、約6,500ページが連載当時に限りなく近い形で復刻されました。
上の文で、"限りなく近い"と書いたのは、やはり今では不適切なセリフがあり、若干ではありますが書き換えられているから。
※1で線を引いた部分がありますね。
「うすばかで頭のにぶい人間にしてしまわなければならない」というセリフ。
前述した復刻大全集では、"頭のにぶい人間"という表現がカットされ、「うすばかにしてしまわなければならない」と書きかえられています。
続いて、1957年9月の「ブラックルックスの巻」。
ロボットだけを襲う怪盗団ブラックルックスが現れた。
ある日、お茶ノ水博士のもとに、スクラップになったロボットが送られてきた。
博士はこれを組み立てます。
部品も揃っておわず、完璧ではないが「ルックス!」と叫び暴れだし手におえない。
アトムたちはブラックルックスの基地であるアフリカへ。
※2
しかし、あまりいい待遇が受けられない。
なぜなら…
※3
そしてブラックルックスの正体が判明する。
なんと、母親を亡くした少年・ルックスだった。
そして、あの「ルックス」と行っていたロボット。
その後の修理によって、実はルックスの育ての母親ロボットだったことが判明。
ルックスは、母親がロボットだということを認めない。
両親を失った赤ん坊を見つけた彼女は、ずっと母親のように彼を育てたのだった。
認めたくないルックスだったが、母親のひざの上の感触で、それが自分の母親だということに気付く。
さて、この作品も描きなおされたセリフがあります。
※2の画像。
「あなたがたは アフリカへこないほうがよかった」というセリフ。
特定の地域を伏せるため、復刻大全集では「あなたがたは ここへこないほうがよかった」と書きなおされています。
そして※3の画像。
「 アフリカと南極は 文明のいちばんおくれたところだそうだ」というセリフ。
やはり"文明のいちばん遅れた"ってのはマズイみたい。
「ここも南極と そう変わりはないな」と変えられています。
南極はもともと文明は無いからね。
さて、時は流れて1980年。
カラー版鉄腕アトムがテレビアニメ化された年。
さまざまな幼年誌や少年誌にもコミカライズが連載されました。
『小学三年生』には、手塚プロダクションでチーフアシスタントとして活躍した甲斐謙二によって連載されまました。
今回紹介するのは1980年10月号の付録「ギャグまんが大行進」より。
といっても、アトムはギャグじゃないけどね。
さすがは手塚のチーフアシスタント。
絵も手塚に近いです。
市長の息子、あきおくんと、ロボットのチクルは大の仲良し。
しかし、チクルはあきおくんにケガをさせてしまう。
怒った市長はロボットを次々に破壊。
チクルも逃げてしまう。
さらに、あきおくんが行方不明に。
市長は、ロボットの平和を提唱するペーターの仕業に違いないと、さらに怒り爆発!
しかし、あきおくんはチクルがいなくなって寂しくなり、ロボットの集まるペーターのもとに来ていたのだ。
市長は、あくまでペーターたちロボットの仕業だといいペーターを撃ってしまう。
あきおくんは父の行動に怒り、父のもとを離れロボットのところに戻ろうとする。
しかし、足を滑らせ、細いパイプの中に落ちてしまう。
市長は、謝罪しアトムに助けて欲しいと頼みます。
しかし、細いパイプはアトムでは入れません。そこでチクルがパイプの中に。
無事にあきおくんは救助されます。
心を入れ替えた市長は、ペーターを修理することを約束するのだった。
甲斐先生、最近は学習まんがなどで活躍してますね~
おまけ
ヒゲオヤジのシルエットですな~
当時の雑誌でいつも出てくるシネコルト!
トリスガム!