貸本時代の鬼太郎といえば、水木しげるの『墓場鬼太郎』シリーズ。
兎月書房から4話がリリースされましたが、原稿料の折り合いがあわず水木サンは、その続きを三洋社から『鬼太郎夜話』というタイトルで書くことになります。
さて、途中で終わっちゃった兎月書房の鬼太郎でしたが、5巻以降は竹内寛行が続きを描き、終わってみれば"ニセ鬼太郎"にも関わらず全19巻という人気作品となりました。
しかしっ!兎月書房の貸本には、もうひとりの鬼太郎がいたっ!!
というわけで、今回は南竜二の『悪魔の落子』をご紹介。
主人公は、三つ目の男の子・三平くん。
彼はれっきとした人間です。
でも額にも眼があるので、みんなにいじめられます。
実は三平がまだお母さんのお腹に中にいるとき、原爆の被害にあっていたのです。
そのため畸形で生まれてしまった三平くん…
不憫におもったお母さんは、息子を殺して自分も死のうと無理心中…
しかし、できませんでした…
自分の息子を殺そうとしたお母さん。
なんてことをしてしまったのだろう…後悔した母親は自ら命を絶ってしまいます。
あぁ…なんてかわいそうな三平くん…
ひとりぼっちになってしまった三平くんも母親のあとを追おうとしますが…
失敗…
これを見て笑ってるヤツがいました。
それが墓場の鬼太郎だったから、読者はビックリ!
三平くんの話を聴いた鬼太郎は、なんとか母親を生き返らせてあげようと考えます。
目玉の親父に早速相談(^^
さっそく生き返らせに行きますよ~
体と首をくっつけて…夜明けがくれば復活!
鬼太郎は帰っていきます。
三平くんの表情がまたいいんですよね~
無事復活したお母さんでしたが、姿を消してしまいます。
母親を探す三平くんは一軒の家にたどりつきます。
なんとそこは三つ目大入道の家だった!
しかもお母さんが食べられそうになっていたっ!!
無事救出して脱出っ!!
じつはここまでは…
三平くんの夢でした(^^;
しかし、ここから不幸の道へっ!
明日、親子でハイキングにいったとき、母親は毒入りのジュースで本当に無理心中しようと考えていたのだった!!
翌日、親子でハイキング。
三平くん、楽しそう(^^
いよいよ毒入りジュースで乾杯というとき…
あらら、幻影でしょうか、お母さんが三つ目大入道に見えちゃったから大変!
三平くんは大入道を崖から突き落としたつもりでしたが、それはなんと母親でした!!
あぁ…なんということをしてしまったのでしょう…
三平くんは自らも崖から飛び降り死んでしまったのでした…
なんとかわいそうな親子…
鬼太郎!もう一度出てきて、生き返らせてあげてぇぇぇぇぇぇっ!!
いかがでしたか?
三平くん、ホントはいい子なんです。
ほとんど、泣いたり心配そうな顔ばかり。
でも、なんでお母さんが大入道に見えちゃったんだろう…