貸本漫画「時代怪奇特集」に収録されている漫画を紹介するのもいよいよ最後!
今なお現役で時代劇を描き続ける巨匠・平田弘史の『或る般若面の由来』!
舞を好める城主がいた。
しかし、酒の席で自慢の般若面を割ってしまう。
近々将軍家の前で舞を披露せねばならないのに…
そこで面師の前島刻明に般若面の製作が依頼される。
しかし…
自分の頼んだ般若はこんなものじゃないと割られてしまう。
精魂こめた面を割られ、生きがいを喪失した前島はその夜自決してしまう。
上役たちは相談の上、かつて城主に彫刻をほめられた青年椎名龍三郎に仕事を依頼する。
断るものの、それも許されない龍三郎。
手本となる割れた面を持ち帰る。
しかし、道中…その重圧に倒れてしまう。
それを助けた女…
しかし、割れた面を見た女は驚き、そのひょうしに灯りが倒れ小火に!
女は絶命していた…
ある日、龍三郎が家に帰ると死んだはずの女がっ!!
女は龍三郎の心の化身であり、般若面製作の手助けに現れたという。
女は自分を斬れという。
女を斬る隆三郎!
その瞬間、女の顔が恐ろしい般若の顔にっ!!
しばらくすると女は生き返る。
そして…
何度も女を斬る龍三郎。
しかし、あくまで女は亡霊。
龍三郎が斬っていたのは、何の罪もない町の女たちだった。
つぎつぎに殺されてゆく町女たち…
いよいよヤバイことに気づいた城の上役たち。
しかし、ここで龍三郎を捕らえては城主の面は出来ない。
こうして龍三郎には家老配下の"影"がつくことに。
殺された女の夫が仇を討とうとすると…
その夫を影が斬るっ!!
こうして藩主に守られた龍三郎はついに面を完成させる。
結局、被害にあった女は11人に及んだ…
その般若面から血がっ!
そう!11人の女たちの恨みの血だ!!
狂乱の龍三郎は転んだと同時に腰に差した太刀が刺さり絶命。
そして完成した面は城主に届けられた。
その面をつけ将軍家の前で舞を披露した城主だったが、面は城主の顔の肉に食い込みはずれなくなってしまった!
その後、旅僧の祈祷により面は取れたが、城主の顔面の皮・肉半分は面とともにもぎ取られていた…
いや~さすが巨匠ですね~
絵もストーリーも完成しています!
御年81歳!いまなお現役!!
しかも近年はパソコンを使った画法や着色なんかも取り入れて、最近の若い漫画家も顔負けの技を披露してくれています。
いつまでもお元気で活躍してほしいですね~