今宵も貸本漫画「時代怪奇特集」に収録されている漫画を紹介。
今回紹介するのは楳図良雄の『不有剣異話』です。
楳図良雄は貸本の時代にいくつかの作品を残した漫画家。
二階堂流の達人・小田切甚助は趣味の釣りに高じていた。
しかし突然の雨…
大きな木の下で雨宿りしていると、もう一人の男がいた。
彼の佇まいに甚助は男がよほどの使い手とみた。
男は無念三刀流の流祖だという。
三刀流に興味を抱いた甚助…
男は三刀流を編み出すきっかけとなった話を語りだした。
八年前のある夜…
剣の試合で勝利した師匠の祝杯の夜のことだった。
昼間の手合わせで敗北した奴が襲ってきたのだ!
男の師匠は亡くなり、男も重症を負った。
命は助かったが太刀を握ることができなくなってしまった。
しかし、師匠の仇をとるため修行を積んだ。
太刀がダメなら手裏剣だ!
しかし手裏剣では殺傷能力が劣る…
こうして男は小太刀を手裏剣のように操る法を編み出す。
さらに太刀の反りを利用してブーメランのように投げた小太刀が戻ってくるまでになった。
名づけて”鎌いたち”っ!!
投げた二本の小太刀が相手に当たらず…
後ろから襲ってくるっ!!
この"鎌いたち"のすべてを話したところで甚助が師匠の仇であることを語ったところで戦いがはじまった!
さぁ、鎌いたちとかを見せてもらおう!
男は小太刀を投げる。
後ろから戻ってくることを知っている甚助は当然振り返る。
しかし…
振り返った甚助の背中を男が大太刀でバサーッ!!
そう!"鎌いたち"なんて無かったのである。
まんまと罠にはまった甚助…
八年間、男が修行したのは"武術"では無く"話術"だったのだ!!
絵はいまいちですが、ストーリーはなかなかのもんです(^^
さて、この楳図良雄という貸本漫画家…
あの楳図かずお先生の弟さんです!!
1997年「まんだらけ16」のインタビューより
いや~この「時代怪奇特集」って貸本漫画。スゴイです!!