今宵も貸本漫画「時代怪奇特集」に収録されている漫画を紹介。
前回は池上遼一の『魔剣小太刀』を紹介しましたが、今宵の岩井しげおは、池上が貸本時代にアシスタントをつとめていた、いわば師匠。
時代物や怪談物の貸本雑誌には必ずといっていいほど掲載されていた岩井作品。
貸本漫画家たちが夢を抱いて上京するなか、岩井は大阪に残って描いていました。
大阪で看板屋の仕事をしながら漫画を描いていた池上にとってはラッキーだったかもしれませんね。
さて『流れ者』。
藩の特権を悪用し私欲を満たしてきた主席家老・高桑大膳。
そんな高桑に反抗する二番家老・安村吾兵衛!
いつか安村に殺されるかもしれない。そうだ、先に手を打とう!
高桑は、反抗的な安村を暗殺しようと計画する。
手下の左次馬を呼ぶと、さっそく手を汚してくれそうな人物の選出にかかった。
第一候補にあがったのは指南役の室伏一心。
しかし、ゆうずうの利かない堅物ということで却下…
そして、藩で唯一の道場の主で浪人の宝井角太夫に白羽の矢が立った。
さっそく翌日、宝井のもとへ出向く左次馬。
すると宝井が名も知らぬ浪士と手合わせしているではないか。
なんとその浪士は宝井をあっという間に倒してしまった!!
左次馬はこの浪士に暗殺を依頼することに決めた。
さっそく高桑のもとに案内される浪士。
彼は神変無双流の鮫ヶ井丞馬と名乗った。
さっそく安村を切ってほしいと頼むと…
「当藩の毒虫店主席家老の高桑大膳を倒せばよいのですな!」
なんど言っても、倒す相手を安村ではなく高桑と言い張る鮫ヶ井丞馬!
そして…
高桑も左次馬も殺されてしまった。
次に鮫ヶ井丞馬は安村のもとへ向かう。
今度は安村が狙われるのかっ!?
じつは鮫ヶ井丞馬こそ、安村暗殺の第一候補だった室伏の仮の姿だったのだ!
彼は安村と同じ志しを持っており、高桑を恨んでいたのであった。
めでたしめでたし(^^
宝井とか鮫ヶ井丞馬の顔ってちょっとモンキー・パンチっぽいね。
モンキー・パンチも貸本時代は加藤一彦(加東一彦、かとう・一彦)って名前で怪談物なんか描いてたけど、岩井とは繋がりがあったのかなぁ…
さて、貸本雑誌ではたくさんの作品を残した岩井でしたが、大手少年雑誌などでは見かけなくなり、貸本衰退とともに消えていきました…
しかし!あのアニメのコミカライズを担当していたのです!
東映コミックス『レインボー戦隊ロビン』全5巻っ!!
共著とはいえ、岩井しげおの名前がっ!!
これは全巻揃えたいっ(^^