先日ゲットした貸本漫画「時代怪奇特集」。
この本に収録されている漫画を紹介。
今回は池上遼一『魔剣小太刀』です。
池上遼一先生といえば、『スパイダーマン』『男組』 『クライング フリーマン』『サンクチュアリ』『HEAT -灼熱-』などたくさんの作品がありますね~
そんな池上先生のデビュー作がこの『魔剣小太刀』!
1962年の作品です。
剣豪・富田九郎右衛門の住む村に、勘解由左衛門ある武士が現れた。
九郎右衛門の弟子たちは、われもわれもと由左衛門に挑もうとするが、九郎右衛門自ら手合わせすることに。
しかし、弟子の一人・兵三郎がどうしても由左衛門と腕試ししたいという。
こうして兵三郎が由左衛門と手合わせすることに。
それにしても兵三郎。
相打ちになってでも仕留めたいと…
時は5年前にさかのぼる…
中条流の奥義を手に入れるため、二人の男が勝負していた。
兵三郎と由左衛門!
この勝負で由左衛門が勝利、中条流奥義を伝授されることになった。
その晩…
兵三郎は由左衛門を襲うが返り討ちに。
殺せという兵三郎に、由左衛門は黙ったまま立ち去る。
あぁ…情けない兵三郎!
そして今、兵三郎と由左衛門が再び戦う!!
しかし由左衛門は兵三郎を前に「おぬし内藤新三郎ではないか!」。
兵三郎の師匠・九郎右衛門もビックリです。
この日のために兵三郎は名前を偽り、かつて中条流も学んだことも師匠に告げてはいなかったのだ。
そしてついに戦いがはじまる!
「名を偽った理由はこの試合が終わった後申し上げまする」と行った兵三郎でしたが…
あぁ…やはりかないませんでした…
その後、富田九郎右衛門は由左衛門の弟子となり、中条流の後継者となる。
その中条流に自らの剣術を取り入れ、やがて富田流と名づけられた。
九郎右衛門はのちに勢源と名のる。
そう!あの佐々木小次郎の師匠である!!
中学を卒業して、大阪で看板屋の仕事をしているころの作品ですね~
この「時代怪奇特集」にも描いている岩井しげお先生のアシスタントなどをしながら数本の作品を貸本漫画に描いたものの、やっぱり食べてはいけず漫画家を断念。
看板屋の仕事に戻ります。
『罪の意識』初出「月刊漫画ガロ」(1966年9月号)
しかし、夢は捨てられず「月刊漫画ガロ」に投稿した『罪の意識』を読んだ水木しげる先生が、編集長だった長井勝一にスカウトを依頼。
こうして水木サンのアシスタントとして活躍し、売れっ子漫画家となっていきます。
『鬼太郎夜話』「月刊漫画ガロ」 連載1967年6月号~1969年4月号
『砂の惑星』のポスターを描いたときはビックリしたな~(^^;
というわけで、池上先生の貴重なデビュー作でした!!