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つげ義春「紅い花」から話を膨らませてみる。

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つげ義春の「紅い花」。
『ガロ』1967年10月号に掲載されました。

ある日、釣り目当ての青年が山村を訪れます。
青年は貧しい小さな店に立ち寄ります。

店には少女が一人。名をキクチサヨコといいました。
最近、お腹が張っていたいらしい。

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良い釣り場を聞くと、六年二組のマサジという少年を教えられます。

サヨコは、マサジを呼びに行きます。

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「お前ら、この頃 毛がはえておるじゃろ」
「知らん」
小学生らしい会話です(^^

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マサジが青年を案内した帰り…

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お尻を出して、川面につけているサヨコを見た。

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紅い花とは、初潮の表現なんです。
サヨコがお腹が痛いと言っていたのはこのことだったんです。

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サヨコをいつもいじめるマサジ。
それは好きの裏返し。

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マサジはサヨコをおぶって山を下りるのでした…

この作品は、これまでに三度映像化されています。
最初の映像化は1976年にNHKでのドラマでした。

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つげ義春が、青林堂の長井勝一に原稿を持ってくるところからはじまります。

つげを演じたのは草野大悟。

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そして長井勝一には、藤原釜足。

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後ろに花輪さんのポスター!


そして本編。
キクチサヨコには沢井桃子。

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若いですなぁ


マサジは渡部克浩。

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原作にはありませんが、サヨコには寝たきりの祖父がいます。

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演じたのはアラカンこと嵐寛壽郎!

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この作品は、76 年度芸術祭テレビドラマ部門大賞、テレビ大賞個人賞。さらには、「THE SEIRINDO SHUJIN」というタイトルで、77年国際エミー賞優秀作品賞を受賞するなど海外でも高く評価されました。
エミー賞でのトロフィーと賞状は、現在、長井勝一漫画美術館に展示されています。

草野大悟は、このちょっと前に「ゴジラ対メカゴジラ」でブラックホール第3惑星人を演じましたね。
六月劇場の先輩・岸田森と共演って、なんかすごいね~
ほかにも円谷作品に結構でてる。
1978年の「恐竜戦隊コセイドン」ではコセイドン隊の隊長バンノ・チカラを演じました。

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さて、アラカン。
彼の甥といえば、元AV男優の山本竜二。俳優としても、NHKの大河ドラマなど一般作品にも出てますね。
実相寺昭雄監督にも気に入られて、「ラ・ヴァルス」や「ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説」といった映画にも出てました。

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「ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説」では警官役


ちなみに山本さんもインタビューでガロに登場してます。

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『ガロ』1996年1月号より

さて、昨日記事にしたビニ本。
自販機本のハナシもちょっとしました。
だいたいエッチなグラビアに、漫画や記事が掲載された体裁でした。

自販機本からは蛭子能収、吾妻ひでお、岡田京子、杉作J太郎、山本直樹、根本敬、桜沢エリカ…
たくさんの漫画家が生まれました。

もちろんこのような体裁のもの以外にも写真集系もありました。
そんな写真集の一冊が「紅い花の伝説」。

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ガロ系漫画家を排出した自販機本で、ガロ作品を題材にするというのは必然だったのかもしれませんね。

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とわいえ、つげ本人に許可を取ってるわけでもありません。
でも、登場人物は菊地小夜子。そして男の名はマサジ。
小夜子は女子高生という設定です。
ちなみにモデルは無名時代の愛染恭子だったりします。

この本を発行したエルシー企画はのちに、自販機本大手のアリス出版と合併したそうです。

アリス出版から刊行された雑誌『劇画アリス』は、『漫画エロジェニカ』、『漫画大快楽』とともに、三大エロ劇画誌と呼ばれました。

「ガロ」でも特集が組まれたことがありました。

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『ガロ』1993年9月号

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ガロ作家も多数描いてました


で、アリス出版といえば…
自販機本からデビューした漫画家を前述しましたが、藤原カムイは漫画家になる前、アリス出版の編集者だったそうです。

カムイ先生は「ウルトラQ」のコミカライズもされてましたね~

そんなカムイ先生。アリス出版で働く前はデザイン会社で、ZELDAなどのインディーズ系アーティストのジャケットデザインなんかもやってたんだとか。

もしかして、コレもカムイ先生?

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その後82年にメジャーデビューしたZELDAは、二枚目のアルバム「CARNAVAL」をリリース。
プロデューサーはムーンライダースの白井良明。ゲストにはムーンライダースのリーダー鈴木慶一を迎えました。

鈴木さんもガロに出てますね~
しかも、予想に反して、泉昌之特集に登場(^^

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『ガロ』1992年12月号より

友だちの家でオナラしたら身がでちゃったんだって~

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泉昌之の「ロボット」みたいだったと…(^^;

そういや、鈴木さんといえば…

昭和31年より約10年にわたり発行された大人向け雑誌「100万人のよる」。
毎回、有名人に持たせて"わたしも読んでます"って感じのコーナーがありました。

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力道山も読んでた(^^


で、これの特集本「100万人のよる伝説」全3巻が90年代に出ました。

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ここでも、有名人に持たせて例のコーナーを再現してます。

テリーさんや…

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鈴木さん(^^

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あぁ…どんどん「紅い花」から離れてく…
収拾がつかなくなってきたので、これくらいにします(^^;

日本のサブカルチャーは面白い!ってことだな(^^

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